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『振鈴(しんれい)』

「振鈴」とは言わば修行道場における「目覚まし時計」です。起床時間になると係の修行僧が鈴を振りながら未だ暗い山内を駆け巡り「ジリンジリン」という暗闇を切り裂くような大きな音で寝ている僧侶を起こして回ります。

夏安居・冬安居の期間中は、修行僧のリーダーである首座和尚が90日間毎朝この振鈴を務め、それ以外の期間は振鈴当番に当たった者が務めます。

振鈴を務める者は皆よりも一人早く起床し、洗面を済ませると法衣を身に纏い、走り易いように襷掛けをして身なりを整えます。


そして、スタート地点である修行僧の多くが就寝している僧堂に赴き、聖僧文殊菩薩様に三度の礼拝をして、鈴を持ってその時を待ちます。定時になると一気に走り出して山内を隈なく駆け巡り、最後に法堂にて御本尊様に礼拝をして再び僧堂へ戻り終了です。

就寝していた修行僧は振鈴の音を聞いて目覚めると直ちに寝具をしまい「洗面」を行じ、「暁天坐禅」に赴きます。こうして修行道場の一日は、365日休むことなくこの「振鈴」の音で始まるのです。

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