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『日中諷経(にっちゅうふぎん)』

日々の行持~日中諷経~

お昼が近づくと、ご飯が炊き上がった合図として庫院(台所)の雲版が三下される「火版」が鳴り、続いて、中食(昼食)の支度が整ったことを知らせる太鼓「日中鼓」が三下され、更に、遠いところで作務をしている者にも聞こえるよう大梵鐘を九声打ち鳴らす「斎鐘」が鳴り響き、山内の隅々までお昼を知らせます。知らせを聞いた山内の修行僧達は、作務や講義など午前中の行持を切り上げ「日中諷経(お昼のお勤め)」の準備をします。

日中諷経では、仏祖のご命日には供養の諷経を勤め、それ以外の日はお釈迦様、道元禅師様、瑩山禅師様の一仏両祖、並びに長谷寺開山の門庵宗関大和尚様、更には一切の三宝(仏宝・法宝・僧宝)、ありとあらゆる御霊に回向する諷経が勤められます。

斎鐘が打ち切られると直ちに、日中諷経が行われる仏殿(長谷寺では法堂と仏殿を兼ねた本堂で勤められる)の「殿鐘」が三会(三遍)鳴り、修行僧は袈裟を掛け本堂(仏殿)の所定の位置に就いてお勤めが行われます。

仏祖の供養では「大悲心陀羅尼」や「参同契・宝鏡三昧」が読誦され、それ以外の日は、「仏頂尊勝陀羅尼」「信心銘」「自受用三昧」が日替わりで読誦されます。

日中諷経は、古く中国では斎罷(昼食後)に行われていましたが、現在は斎時前に行われています。朝課(朝の勤め)ほど長いお勤めではありませんが、毎日欠かさずに勤められ、寺院の無事安穏、修行僧の辦道精進、諸々の災難が消え去り、諸々の縁が善いものでありますように、と願って勤められています。

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