~暁天坐禅きょうてんざぜん~

暁天坐禅は明け方の坐禅のことで、朝起きて最初の坐禅のことです。就寝していた修行僧は、振鈴にて起床すると、洗面版が三打鳴る間に洗面を済ませ、僧堂へ赴き袈裟は掛けずに坐禅を組みます。眠っていた身体を目覚めさせるように大きく呼吸をして、上半身をゆっくり左右に揺らし身体と呼吸を調えると、次第に坐が深まって行きます。
その頃、住職は諸堂を廻り、香を焚き、礼拝をして、最後に僧堂へ赴き中央に安置された聖僧文殊菩薩に対し焼香礼拝をします。その後、堂内を隈なく巡り修行僧の坐を点検すると、静けさを止めると書く、坐禅の始まりの鐘「止静」が三声打ち鳴らされ堂内が静寂に包まれます。
坐禅開始と共に、時を告げる太鼓・鐘「更点」が鳴り響き、続いて大梵鐘「暁鐘」が十八声撞かれ、その鐘の音が響くなか修行僧は身体と呼吸を調え心静かに坐るのです。
梵鐘が撞き終わると、再び時を告げる「更点」が鳴り、続いて唐金造りの版を叩く「バイン!」という大きな音が山内に響き渡ります。この鳴らし物は「開静」といい、文字通り静寂を切り開く坐禅の終わりを知らせる鳴らしものです。開静は三遍打ち鳴らされ、一、二遍目を「小開静」といい、三遍目は木版と交互に打ち鳴らされ「大開静」といいます。
開静が鳴り終わると、今度は朝のお勤め、「朝課」の始まりを知らせる法堂(本堂)の鐘が鳴ります。僧堂では坐禅の終わりを告げる「放禅鐘」が一声鳴り、修行僧は各々お袈裟を頭上に戴き「搭袈裟の偈」を唱えます。その後、お袈裟を身に纏い朝課の行われる法堂へ向かうのです。
私たちは、起床してから一切の会話をせず、ただ鳴らしものに従って、一つひとつ行持に身心を任せて行くだけなのです。

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